岸田文雄首相の演説会場に爆発物を投げ込み、火薬類取締法違反容疑で再逮捕された木村隆二容疑者(24)は、調べに対し一貫して黙秘を続けている。 和歌山県警は殺人未遂容疑での立件を視野に捜査するが、識者は「立証のハードルは高い。動機や計画性の解明も重要だ」と指摘する。 爆発物は木村容疑者の自作とされ、筒にはナットのような部品が取り付けられていた。捜査関係者は「複数の部品が数十メートル飛ぶなどしている。状況証拠がそろえば殺意の認定も可能だ」と話す。 県警は、処分保留となった威力業務妨害罪よりも法定刑が重い殺人未遂罪の適用も視野に入れている。ただ、容疑者が黙秘しているため、殺意を認定できるような供述は得られていない。爆発物の威力や危険性が焦点となるが、投げ込まれてから爆発するまで50秒ほど経過していた。 元検事の落合洋司弁護士は「危険ではあるが、直ちに周りの人が死ぬレベルの威力だったのかは疑問だ」と話す。「客観的な危険性の立証だけでは弱い。事件前の言動など、動機や計画性の解明も重要だ」と指摘する。 容疑者は被選挙権年齢の引き下げを求めて訴訟を起こすなど、選挙制度に不満を抱いていたとみられる。落合氏は「自分の考えを知らしめたいという自己顕示欲が背景にあれば、殺人未遂罪の認定には否定的に働く」との見方を示す。 一方、爆発物は自作とみられることから「危険性自体の認識はあったのだろう」と分析。殺意を認定しなくても、治安の妨害や人身・財産を害する目的が認定できれば成立する爆発物取締罰則違反罪の方が立証しやすいと話した。

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